ビニール傘買った

人生で初めてビニール傘を買った。

 

今日の昼、アルバイトの最中に音を立てて雨が降り出したところで、傘を持っていないことに気がついた。

朝の天気予報で午後からは雨が降ると言われていたのをしっかりチェックした記憶があるのに。

普段は必ずと言ってもいいほど、晴雨兼用の折り畳み傘を持ち歩いているにも関わらず、今日に限って忘れてしまった。

昼の休憩時間にそれを打ち明けると「無事に帰れますように」と言ってもらえた。雷が鳴っていた。

 

幸いアルバイト先のすぐ近くにセブンイレブンがあるので、ほとんど濡れることなく傘を手に入れることができた。

店内に入ってすぐのところにある傘のコーナーで数分間、うなる。折り畳み傘を買うべきか、ビニール傘を買うべきか。

セブンイレブンの自動開閉式の折り畳み傘が良いという噂を耳にしたことがあったのだけれど、置いていないみたいだった。

悩んだ末に、家に折り畳み傘はたくさんあるし、ということでビニール傘を手に取る。

 

傘をなくしたことがない。

と言うと時々びっくりしてくれる人がいるくらい、どうも傘というのはなくすものらしい。

高校時代に、普段使っている紺地に花柄の傘を買ってから、それしか使ったことがなかった。

置き忘れないの? と訊かれれば今のところ置き忘れたことはない。正確にいうと数回は置き忘れかけたことがあるのだけれど、運良く誰かが気づいて指摘してくれた。

 

そのせいかなかなか傘を新しくするタイミングもいうものが掴めなくて、いつも傘をさしながら、いつ新しくするのが正解なんだろう、と考えている。

撥水性がなくなったら、というけれど、折り畳み傘を持ち歩く癖があるせいでそこまで傘も使っていないので、まだいける気がする。いや、いけるのか……? いけていない気もする。

傘を新しくするということは、5年間お世話になった傘を捨てるということで、いや、だからといって特別な思い入れがあるというわけではないのだけれど……こういう時に、なくしてしまえたらいっそ楽なのにな、と思う。

 

紺地の傘を使っている時、傘の中は暗くなる。

5年も使っているからくたびれているのか、元々そういうものだったのか、布が少し柔らかくて、雨の音がぽんぽんと跳ねるように聞こえる。

普段からそれに慣れきっていると、ビニール傘はやけに明るく感じられて、雨音は打ちつけるように聞こえた。

 

傘を新しくするとしたらこのビニール傘が普段使いになるのだろうけれど、ビニール傘だったらなくすことができるだろうか。

ビニール傘の寿命について考え込む羽目になっているような気もする。