友人の恋人

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2泊3日の東京旅行の帰り道、新幹線の中にいる。

昨日は舞台を鑑賞した後に、友人とその恋人と食事をし、帰宅してからは深夜まで姉とテラスハウスを見ていた。

 

友人の恋人を紹介してもらう、という状況は実は初めてだった。

緊張はしていなかったけれど、自分はその人と会った時に何を思うんだろう、という不安があった。

実を言うと、友人の恋人という存在が、わたしはあまり得意ではない。

別に嫌いなわけではなくて、友人と、隣に立つその恋人を見ると、なんとも言えない気持ちになる。この人にはわたしには見せない顔を見せているのだろう、という確信に近い考えがよぎる。

特別それに対して嫉妬したり、ということではない。ただ、友人にも自分の知らない側面があるということを改めて実感する。

 

人にはさまざまな側面があると思うし、例え恋人に甘えている姿を見てしまったとしても、それはそれで受け入れたいと思う。

けれど、実際にそういう場面に遭遇すると、友人に対して持っていたイメージが更新される感じがする。

 

イメージというか、解釈だ。

友人の使う言葉や、仕草、表情。いろんなところから情報を集めて「この人はこんなふうに考えて、こういうことをしているのだろう」という解釈をする。

 

わたしにとって友人というのは、好きな本に似ていて、何度も何度も読み返すように、彼や彼女に触れて解釈を新たにしている。

そう考えると、恋人は「初回特典版にだけ付いている書き下ろし小冊子」を持っているような感じがする。

ずるいな、と思う。よりたくさんの情報を持って、より深く考察することができることが羨ましい。

 

同じ本を読んでいるのに全く違う解釈をした人と話しているような気分になってくる。

わたしのよく知る友人の顔と、わたしが初めて見る友人の顔が交錯する感じには慣れない。

 

けれど必ず、友人には見せるけれど恋人には見せない顔というのも存在する。

だから友人の恋人と会った時は心の中で、全部知った気になってんじゃねーぞ! とつぶやいている。